血圧は、環境によって絶えず変動していますが、高くなっても自覚症状に乏しいのがやっかいなところ。高血圧を放置して動脈硬化が進むと、ある日突然、脳卒中や狭心症・心筋梗塞などの心疾患につながることがあります。
						寒い季節は、血管が収縮するため血圧が上がりやすくなる季節です。健康な人も、そうでない人も、血圧が上がりやすい季節であることを踏まえ、自分や周囲の〝もしも〟に備えておきましょう。
					
					脳卒中ってどんな症状?
						脳卒中には、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」、脳の動脈にできたこぶが破裂する「くも膜下出血」があります。薬やカテーテル治療などの進歩や救急体制が整ってきたことで、死に至らないことが多くなっていますが、日本人の死因の第4位で、後遺症により元通りの生活ができないようになることもあります。
						症状としては、顔の半分がゆがむ、腕や手のまひやしびれ(片側の腕に力が入らない、上がらない)、ろれつが回らない、言葉が出てこない、目が回る、激しい頭痛などが挙げられます。症状があらわれたら、すぐに救急車を呼びましょう。早期治療が後遺症軽減につながります。
					
覚えておこう!「FAST」
脳卒中はいきなり発症せずに前兆が出る場合があります。注目すべきは「顔」「腕」「言葉」です。すぐに行動に移せるよう、覚えておきましょう。
| F (Face)  | 
								
									 顔のゆがみを見ます。  | 
							
| A (Arm)  | 
								
									 腕の片側にまひがあるかどうかを見ます。  | 
							
| S (Speech)  | 
								
									 ろれつが回らない、言葉がはっきりしない、思ったことが話せないなど、言葉に障害があるかどうかを見ます。  | 
							
| T (Time)  | 
								
									 上記の症状がどれか1つでも突然起こったら、すぐに救急車を。「すぐに病院に行く」ことが大切です。何時に症状が出たかが治療のポイントになるので、メモしておきましょう。  | 
							
					狭心症・心筋梗塞って
どんな症状?
					
						狭心症は心臓の血管(冠動脈)の一部に異常が起き、血液が流れにくくなり、心臓の筋肉(心筋)が弱ってしまう病気で、狭心症が悪化すると心筋梗塞になります。心筋梗塞になると、冠動脈が塞がり、心臓の機能が急激に低下します。酸素や栄養が行き渡らなくなり心筋が壊死、突然死の原因にもなります。心疾患は日本人の死因の第2位です。
						症状としては、胸が焼けるような痛み、突然の胸の痛み、胸がしめつけられるような痛みなどが挙げられます。胸のあたりに違和感があったら、早めに病院を受診しましょう。人によっては腕、背中、首、肩、歯、あごの痛みといった症状になることもあります。横になって休んでいても痛みが続くなどの場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
					
					血管を労わる生活を心がけましょう!
寒さだけでなく、塩分が多い食事、水分不足など、冬は血圧を上げてしまいやすい環境がそろっています。血管に負担がかかっていますので、血管を労わる生活を心がけましょう。
起床時間に暖房をセット 
							冬の朝方、寝室の室温はかなり低くなっています。布団の中と室内の温度差を少なくするため、起きる時間に合わせて暖房のタイマーをセットしておきましょう。
						
起床後はまず水分補給 
							 睡眠中の発汗で血液が濃縮され血流が滞りやすくなり、血栓ができやすい状態になっています。朝起きたら、コップ1杯の水分補給を習慣にしましょう。
						
防寒対策をしっかり 
							薄着のまま、暖かい室内から寒い屋外に出ると血圧が上がりやすくなります。少し外出するときでも、暖かい肌着を着たり首元にマフラーをしたりなど、防寒対策を。
						
お風呂場の温度差を減らす 
							脱衣所と浴室の温度差が大きいと「ヒートショック」を招き、血圧が急上昇する要因になります。脱衣所を暖房器具で暖める、入浴前にシャワーで浴室を暖める/湯船のフタをあけておくなどの工夫を。家族がいる場合は、ひと言伝えてから入ると安心です。
						
熱いお湯はNG 
							寒いからといきなり熱いお湯に入るのは厳禁。交感神経が緊張して血圧の急上昇を誘発します。40℃以下の低めの湯温で、入浴時間も10分を超えないように。
						
入浴前後に水分補給 
							入浴により水分が不足し血流が滞りやすいため、入浴の前と後にコップ1杯の水分補給をしましょう。
						
塩分を控える 
							冬は口内の乾燥から味覚感度が下がり、濃い味を求めがちです。つい汁物が欲しくなりますが、汁物には塩分が多く含まれていますので、汁はなるべく残すことにしましょう。
							また、少量のアルコールは血圧を下げますが、飲みすぎると血圧を上げてしまいます。おつまみの塩分にも注意しましょう。
						
冬でも運動習慣 
							汗をかく習慣がないと、体内に余分な塩分をため込みやすくなります。フロア移動など、屋内で汗をかくことのできるチャンスを逃さないようにしましょう。肥満も高血圧のリスク要因になるので、冬の運動習慣は一石二鳥です。
						
いろいろご紹介しましたが、愛煙家の皆さんにはもっと効果の高い血管を労わる生活があります。それは〝禁煙〟です。健診や人間ドックで高血圧を指摘されている場合は、真剣に禁煙をお考えください。
厚生労働省は、ジェネリック医薬品の利用促進のための施策に積極的に取り組んでいます。
								ジェネリックに変更した場合の薬代については、日本ジェネリック製薬協会の「かんたん差額計算」(https://www.jga.gr.jp/general/easycalc.html)で調べることができます。
								また、「ジェネリック医薬品希望カード」も日本ジェネリック製薬協会のサイト(https://www.jga.gr.jp/)一般の方向け情報から印刷することができます。
						マイナ保険証利用のお願い
医療機関の受診時や調剤薬局ではマイナ保険証のご利用をお願いいたします。皆さんのマイナ保険証利用率の増加が、医療費の削減や健康保険組合から納付する支援金の減額に寄与します。健保財政の改善につながるよう、皆さんのご協力をお願いいたします。
							
							●マイナンバーカードの健康保険証利用について
							
							●2024年12月2日以降の医療の受け方について
							


