抗生物質(抗菌薬)を服用すれば、風邪が早く治ると思っていませんか?
抗生物質は細菌と闘う薬のため、風邪などのウイルスが原因の感染症には効果がなく、早く治ることもありません。抗生物質の不適切な使用は、薬剤耐性(AMR:Antimicrobial Resistance)が起こる原因の1つです。
抗生物質には、副作用もあります。医療費を大切に使い、私たちの体を守るためにも、抗生物質は正しく使いましょう。
これらに心当たりはありませんか?
□風邪をひくと医師に抗生物質を処方してもらっている
□5日間のむように処方された抗生物質を3日でやめることがある
□前に処方された抗生物質をとっておいて、調子が悪いときにのんでいる

細菌とウイルスは、まったくの別物です
感染症には、細菌によるものとウイルスによるものがあります。細菌はウイルスの約100倍の大きさで、大腸菌や肺炎球菌などが代表的なものです。抗生物質は、この細菌をターゲットに作られた薬で、細菌性の肺炎や中耳炎、膀胱炎などの治療に不可欠なものです。
一方、風邪やインフルエンザはウイルス性の感染症です。風邪は、ウイルスが鼻やのどから入って炎症を起こし、くしゃみや鼻水、せき、たん、のどの痛み、発熱などの症状を起こします。残念ながら、風邪のウイルス自体をやっつける薬はなく、医師が処方する薬や市販の風邪薬は、風邪のつらい症状を和らげるためのものです。
つまり、〝抗生物質は強くてよく効く薬だから風邪にも効く〟というのは間違いです。
細菌とウイルスの違いについては、2021.03.01すこやかONLINE「ウイルスと細菌の違いは、ズバリなんでしょうか?」でも取り上げました。ぜひ、あわせてご覧ください。

抗生物質が効かない耐性菌が増えています
抗生物質をのむと、抗生物質が効く細菌は死にますが、抗生物質に耐性のある細菌は生き残り、増殖します。広い範囲の細菌に効く抗生物質をむやみに使ったり、症状が軽くなったからと医師の指示より早くやめてしまったりすると、薬剤耐性を持った耐性菌が増える原因になります。
こうして生まれた耐性菌が周囲の人々に感染していくと、抗生物質の効かない感染症が広がってしまうことになります。実際、すでにじわじわと世界中に広がっており、何も対策をしないと2050年には1,000万人が耐性菌により死亡すると推計されています。
耐性菌の拡大を防ぐためには、まずは自分自身が細菌感染症にかからないように予防の意識を持つこと、それと同時に抗生物質を適切に使用することが重要です。
そもそも医薬品は、医師や薬剤師の指示どおりに使用しないと十分な効果が期待できません。特に抗生物質の場合、前述のように不適切な使い方をすると新たな耐性菌が出現するリスクが高まります。自分の健康はもちろん、耐性菌の拡大を防ぐためにも、抗生物質は正しくのみましょう。

風邪で予防的な抗生物質の使用は無意味です
風邪などのウイルス感染症は、ときに二次的な細菌感染症を引き起こします。だからといって、予防的に抗生物質をのんでも効果はなく、かえって下痢などの副作用や耐性菌による感染症を引き起こすこともあります。風邪の症状が悪化したときはかかりつけ医に伝え、適切な治療を受けましょう。
また、子どもはよく熱を出しますが、発熱のたびに抗生物質を親の判断で使用したりすると、将来的に抗生物質が効くはずの病気にかかっても治らなくなってしまうことがあります。かかりつけ医とコミュニケーションをとり、本当に必要なときにだけ、指示された期間を守って抗生物質を服用させることが、子どもの健康を守ることにつながります。
抗生物質の効果が期待できる⇒細菌感染症
Ex.溶連菌性咽頭炎/肺炎球菌性肺炎/マイコプラズマ肺炎/百日咳/細菌性腸炎が疑われ、血圧低下や意識障害等の症状があるとき/中等症以上の急性副鼻腔炎で発熱や痛みが続くとき/急性中耳炎で症状が改善されないとき/伝染性膿痂疹(とびひ)
抗生物質の効果が期待できない⇒ウイルス感染症、非感染性疾患
Ex.一般的な風邪/急性咽頭炎/急性気管支炎/インフルエンザ/新型コロナウイルス/嘔吐下痢症(ノロ、ロタなど)/みずぼうそう/はしか(麻疹)/風疹/リンゴ病/ヘルパンギーナ/手足口病/プール熱/慢性呼吸器疾患
厚生労働省は、ジェネリック医薬品の利用促進のための施策に積極的に取り組んでいます。
ジェネリックに変更した場合の薬代については、日本ジェネリック製薬協会の「かんたん差額計算」(https://www.jga.gr.jp/general/easycalc.html)で調べることができます。
また、「ジェネリック医薬品希望カード」も日本ジェネリック製薬協会のサイト(https://www.jga.gr.jp/)一般の方向け情報から印刷することができます。
マイナ保険証利用のお願い
医療機関の受診時や調剤薬局ではマイナ保険証のご利用をお願いいたします。皆さんのマイナ保険証利用率の増加が、医療費の削減や健康保険組合から納付する支援金の減額に寄与します。健保財政の改善につながるよう、皆さんのご協力をお願いいたします。
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●2024年12月2日以降の医療の受け方について


