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異変が現れてからでは遅い。肝臓を労わる生活を

2023.12.01

自覚症状が出にくいことから「沈黙の臓器」とも呼ばれる肝臓。このため、異変が現れたときには、病気がかなり進行した状態であることが多くあります。
「家にいつもお酒がある」「甘いものが好き」「遅い時間に夕飯を食べる」「コロナをきっかけに外出・出社の機会が減った」――こんな人は、肝臓に負担をかけている可能性が大です。
大事に至る前に、肝臓を労わる生活を心がけましょう。

自分の肝機能の数値を把握していますか?

自分の肝機能の数値を把握していますか?

肝臓は、栄養素の分解や合成、貯蔵、アルコールの分解、毒素の解毒、胆汁の生産などの生命維持に欠かせない機能を担っています。一方、ダメージを受けても働き続けるため、障害が起きていても自覚しにくい臓器です。このため肝機能は、健診結果の数値で把握しておくことがとても重要です。
肝臓内の酵素(ASTやALT)、胆管で生成される酵素(γ-GTP)は、肝臓に障害が生じると血液中に流れ出てその濃度が上昇します。これらの数値が高い、または年々上昇している場合は、肝臓に何らかの異変が起こっている可能性があります。なるべく早く気づくために、毎年健診を受けて経年変化にも注目しておきましょう。

検査項目 AST(GOT) ALT(GPT) γ-GTP(γ-GT)
解説 肝臓や心臓、筋肉の細胞が破壊されると数値が上がる。ASTだけが高い場合は、肝臓以外に問題が生じている可能性がある 肝臓の細胞が破壊されると数値が上がる 肝臓の細胞が破壊されたり、胆汁の流れが悪くなったりすると数値が上がる。アルコールの影響を受けやすい
生活習慣の改善が必要な数値 31U/L以上 31U/L以上 51U/L以上
医療機関での受診が必要な数値 51U/L以上 51U/L以上 10U/L以上
  
コロナ禍で脂肪肝が増えています

コロナ禍で脂肪肝が増えています

肝臓は、再生能力の高い臓器ですが、長期にわたる炎症やとても強い炎症が起こったりすると再生が追いつかず、肝細胞が繊維化し、肝硬変へと進みます。これまで肝硬変の主な原因だったウイルス性肝炎は、治療法の進歩によって減少していますが、「アルコール性肝障害(ALD)」や「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」といった脂肪肝は増加し、肝硬変の原因がウイルスから非ウイルスへと置き換わってきています。脂肪肝が増加している背景には、生活習慣病の増加傾向に加え、最近ではコロナ禍のステイホーム等も影響していると考えられています。
脂肪肝というと、飲みすぎをイメージする人も多いかもしれませんが、食べすぎや運動不足でもなる可能性がありますので覚えておきましょう。

アルコール性肝障害(ALD) 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
長期にわたる大量飲酒により肝臓に中性脂肪が溜まる。さらにアルコール代謝で炎症も起こる 食べすぎや運動不足で余ったエネルギーが肝臓に中性脂肪として溜まる。溜まるだけ(NAFL=非アルコール性脂肪肝)の場合は進行のリスクはほぼないが、一部のケース(NASH=非アルコール性脂肪肝炎)では炎症を起こす
肝臓を労わる生活にシフトしましょう

肝臓を労わる生活にシフトしましょう

肝臓は再生能力が高いため、早期に対策を講じれば健康な状態に戻すことができます。肝機能の数値が悪化傾向にある場合は、肝臓を労わる生活を心がけましょう。

飲酒量を減らす

1日の純アルコール摂取量が男性40g、女性20g※を超えると病気のリスクが高まるとされています。「ついつい飲みすぎてしまう…」「どのくらい飲んだかわからない」「家にいつもお酒の買い置きがある」という人は要注意。飲酒量を把握して、多い場合は減らしましょう。
※純アルコール量20gの目安:日本酒1合、ビール中ビン1本、ウイスキーダブル1杯、焼酎小グラス1/2、ワイン小グラス2杯。なお、1日の適量は、純アルコール量で男性20g、女性10gです。

(例)

晩酌の際は最初に飲酒量を決めておく

休肝日を設ける

お酒の買い置きをしない

微アルコール、ノンアルコールに変える

糖分や脂質の多い食品を控える

近年増加している脂肪肝(NAFLD)は、食べすぎ(糖分や脂質のとりすぎ)が主な原因です。日本人は皮下脂肪が溜まりづらく、肝臓に溜まりやすいため、太っていない人も注意が必要です。

(例)

甘いお菓子やジュース、肉の脂身やバター、揚げ物を食べる頻度を減らす

ダブル炭水化物(白米+ポテトサラダ、ピザ+パスタ、ラーメン+チャーハンなど)は食べない

夕食は早めに済ませる

夜遅い時間は基礎代謝量が低下するため、食事で摂取したエネルギーが消費されにくく、肝臓に中性脂肪として蓄えられやすくなります。また、寝る直前の食事は睡眠の質の低下から、食欲をコントロールするホルモン分泌の乱れを招き、食べすぎや肥満の原因にもなります。

(例)

夕食はできるだけ早い時間にとる

夕食が遅くなるときは、夕方におにぎりやサンドイッチなどの補食をとり、遅い時間の食事量を抑える

ウォーキング+軽めの筋トレ

コロナ禍で運動不足の人が増えたことが、近年の脂肪肝の増加の一因と考えられています。ややきつめの有酸素運動に軽めの筋トレをプラスすると、中性脂肪が消費されやすくなり、脂肪肝の予防・改善に役立ちます。

(例)

積極的に外出し、徒歩での移動を増やす

少し汗ばむ程度のペースで歩く

「スクワット」や「かかとの上げ下げ」で下半身の筋トレを行う

さて、皆さんお気づきだと思いますが、肝臓を労わる生活は生活習慣病を防ぐ健康的な習慣とイコールです。これからの季節、お酒の機会が増えたり、積極的にウォーキングするには寒かったりしますが、肝臓のための行動がその他の生活習慣病も遠ざけることになりますので、意識して肝臓を労わる生活を実践してみてください。

厚生労働省は、ジェネリック医薬品の利用促進のための施策に積極的に取り組んでいます。
「ジェネリック医薬品お願いカード」は、日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会のホームページ(http://www.generic.gr.jp/)からダウンロードすることができます。また、ジェネリックに変更した場合の薬代については、Genecal(http://www.genecal.jp/)のサイトで調べることができます。

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